平成17年度事業報告

第1:会の運営について  第2:放課後児童健全育成事業  第3:指導員部会の活動報告  第4:まとめ

第1:会の運営について
 1-(1)事務局全般
第一期目は、前年度事業報告や理事会運営の書類の作成が主体でしたが、第二期目のスタートは、事業の契約書類に始まり、雇用契約書、給与計算、社会保険の加入、労働保険の事務、児童の傷害保険の加入手続等、これまで保護者会が行なってきた事務処理や法人になり新たに加わった事務を、事務局が一手に引き受け手探りの状態でスタートしました。事務局職員はパート2名で、スタートしましたが、事務量の膨大さに、取り残していく事務の量も増加していきました。パソコンは事務処理の必需品で、極力手作業の事務を減らし少人数で行っていく事が、望ましい状況であるように考えられます。
 
 1-(2)個人情報の取り扱い
当会所属の児童クラブの利用者は、茅ヶ崎市全体で今年度は約770世帯の数になります。これらの個人情報は、当然外部に漏洩されないような措置をしなければなりません。今年度は、14クラブと事務局に書類が保管できる耐火金庫およびシュレッダーを配置しました。施設が狭いことからも鍵付の書庫を配置することは、今年度は事務局だけとしました。また、事務作業の必需品であるパソコンも情報等の漏洩の発生がなるべく起きないものを配慮、購入する必要があります。また、個人情報の取扱規程の整備等も早急に進めなければなりません。
 
 1-(3)事務局の応援体制
事務局の体制は、求人募集をしても、なかなか納得のいく人材が集まりません。その中でパソコンをある程度使える指導員で、パソコンがあるクラブは、インターネットと接続し、事務をクラブで処理しメールで事務局に送信し、事務局の応援体制を作ることができました。クラブへのパソコンの配置は、今年度2クラブ実施し、未配置クラブは7クラブあります。

 1-(4)育成料の口座振替等現金管理
今年度の育成料の集金は、利用者→保護者会→NPOの経路で集金されてきました。 保護者会の開催時に保護者会会計が集金したり、クラブの指導員が集金したりと、それぞれのクラブのやり方で行なわれてきました。利用者から保護者会口座に振り込まれる場合は、特に問題の発生は考えられませんが、現金の受け渡しをしているクラブは、領収書等の発行の有無等現金管理に問題がありました。現金管理や安全を考慮し、18年度から育成料の口座振替を行う事を決めました。 また、クラブで使う小口現金を、保護者会用キャッシュカードで引き出せるようにしていましたが、報告が遅くれる等管理上問題が発生したため、事務局から現金を支給するように改め、キャッシュカードを回収しました。

 1-(5)理事会及び委員会
年度当初月2回のペースで理事会を開催していましたが、7月以降理事会の場が内容を検討する場になり、月一回の理事会では対応ができなくなりました。副理事長4名を指名し『総務委員会』『労務・人事委員会』『財務委員会』『保育委員会』を発足させ、理事等は各委員会に担当分け・所属し、あらかじめ各委員会で検討・調査したものを、理事会で協議・審議するように対応しました。しかし、委員会の開催日程が頻繁で、場所も茅ヶ崎市内の端から端へ行く等、働く親たちが退社後に子供を連れて、この事業の統一のために、労力をかけることの難しさや多くの人たちの関わりがなくては、達成できない事業であることは、経営が『ちがさき学童保育の会』に統一されたとはいえ、今まで以上にひとりの保護者への偏った負担が増大したようにも感じられます。

 理事会日程
第12回理事会 平成17年 4月 2日
第13回理事会 平成17年 4月16日
第14回理事会 平成17年 5月 7日
第15回理事会 平成17年 5月21日
第16回理事会 平成17年 6月11日
第17回理事会 平成17年 6月25日
第18回理事会 平成17年 7月 9日
第19回理事会 平成17年 8月 6日
第20回理事会 平成17年 9月 3日
第21回理事会 平成17年10月 8日
第22回理事会 平成17年11月 5日
第23回理事会 平成17年12月 3日
第24回理事会 平成18年 1月14日
第25回理事会 平成18年 2月 4日
第26回理事会 平成18年 3月 4日
第27回理事会 平成18年 3月18日

 総務委員会
1:事故報告書フォーマットとケガ・事故の連絡ルート作成
事故・ケガ発生後に適切かつ迅速な対応がとれるよう、連絡ルートを明記したマニュアルと事故・ケガ報告書を作成しました。この報告書は事故後の第一報として現場で作成されることから、各クラブに報告書と連絡ルートを備え付け、保育現場において運用しながら引き続き内容について検討を重ねていくことにしました。

2:相談・苦情受付票(案)と相談・苦情処理マニュアル(案)の検討
組織をより良くしていくための一歩として、相談・苦情・問い合せに対応するしくみについて検討しました。受付票については、心の問題を取り扱うことが多く、処置(回答)とその対策が重要であると考え、それが今後のデータベースとなるような紙面の割き方を検討しました。また相談・苦情の受付窓口をクラブに限らず、事務局やホームページでも受付ができるようにしました。
3:賛助会員・一口会員申込書とリーフレット作成
4:組織図の作成
5:退所勧告書、育成料未納通知書の作成
6:メーリングリスト参加者の整理
7:HPの整備・更新・掲示板保守管理、メール受付

 財務委員会
財務委員会は法人の財務関係の整備に努めました。法人の運営資金確保のための通信費の削減・賛助会員の募集・募金箱の設置・PHS の購入及び運用・育成料の口座振替業務を検討しました。財務関係だけでなく、それぞれのクラブの状態や理事会での検討事項等を話し合い情報交換をすることができました。それぞれの検討と状態は以下の通りです。

1:通信費の削減
回線の名義人調べが難航し、現行統一の通信になっていない。また、削減案の具体的なもの検討が不確定。
2:賛助会員の募集
HP掲載用の書類を作成。その後の理事会検討の後、総務委員会でリーフレットが作成された。
3:募金箱の設置
募金箱の経費がかかりすぎ、また運用に困難が予想される為。
4:PHSの購入
6月にPHSを14クラブ分購入。
発信が3ヵ所限定であるため、平成18年5月に変更予定。
5:PCの購入
かぜの子・わんぱく・事務局に購入。
6:シュレッダーの購入
なかよし・すぎの子・まつぼっくり・たんぽぽ・おおなみ・つくしんぼを除く12クラブに購入。
7:おやつ代統一
口座振替業務を行うにあたり、法人運営の15クラブのおやつ代を統一。第26回理事会にて月額1,900円で決定。
8:育成料の口座振替業務
UFJ NICOSの請求業務代行を利用し5月分育成料から口座引落を開始。
9:保険の検討
平成18年度の児童および指導員に対する傷害保険、賠償責任保険の保険会社を第27回理事会にて「東京海上日動火災保険株式会社」に決定。

 労務・人事委員会
本委員会は6名の理事及び指導員で構成さています。委員会活動は平均月2回実施しました。開催時間は約2時間を目標としたが議論が白熱することが多く時間を超過することも多々ありました。平日の夕刻から深夜となることもありました。会場はNPO事務局、つくしんぼクラブ、かぜの子クラブ、おおぞらクラブ、すぎの子クラブ、どんぐりクラブ等を利用して実施されました。各クラブより選出された理事であるため茅ヶ崎市内の他クラブの環境や様子をお互いに理解しあう良い機会になりました。

当委員会では主に、職員の業務に関する規則、規定を作成し、理事会への提案を行いました。また、保育のあり方、クラブ運営のあり方、職員の専門性に対する議論、安全管理に関する資格調査と取得に関する提案も実施しました。結果、理事会への議案提案を行い議事の効率化に寄与しました。委員会のメンバーは話題のジャンルを限定して集中討議ができることを狙いとしたため1年間固定されました。斬新な意見の取り入れも不可欠であるため毎年メンバーの半数は入れ替えることまたオブザーバのメンバー登録も考慮して偏りの無い体制を維持したいと思います。

 保育委員会
1:安全管理マニュアル等の作成
保育委員会では、児童の安全を守るために各クラブで守るべき「安全管理マニュアル」を作成しました。ここでは、安全管理に対する基本方針をはじめ、日常の安全管理、防災計画、避難訓練計画、事故発生時の対応について記述してあります。市内すべての学童クラブの職員が記載された内容について十分理解し、適切な対応をとれることをねらったものです。 このマニュアルを改訂・追記していくことで、より充実した安全管理ができるようにしていけると良いと考えています。と同時にこのマニュアルを基本として、より現場に合わせた安全管理の方法を確立できることを願っています。マニュアルの作成とともに事件・事故が起こった際に、その再発防止のための各クラブへのフィードバックの流れについても検討を終えました。ひとつの事件・事故に対しての反省を、当該クラブだけでなく、他の学童クラブの安全を確保のためにも積極的に活用していきたいと考えています。また、防災対策として各クラブに備えるつけるべき防災グッズの選定もしました。今年度以降、必要の度合いを考え順次各クラブに備えられていくとよいと思います。

2:18年度に向けて
18年度は、まず安全管理マニュアルに関連して安全点検表の作成と事故対策に関連して、事故対策委員会のあり方と各クラブへの連絡用書式の検討等が課題として残っています。 ちがさき学童保育の会の未来を見据えてじっくりと検討していくべき内容として、保育内容の均質化、保育事務の共通化等の問題にも取り組んでいかなければならないと考えています。

 1-(6)保護者会、地域との連携
『ちがさき学童保育の会』の組織は、いまだ流動的な状態です。特に地域との関わりは、18学区の地域に分かれそれぞれの保護者会と共同で関わっていかなければなりません。しかし、各学区の保護者会に学校・地域運営委員会及び地域との連携を深めていってもらわなければならないと思います。『ちがさき学童保育の会』の理事は、保護者会の代表として保護者会から選出されています。この理事は、現在保護者会会長とは別の担当として、『ちがさき学童保育の会』と保護者会のパイプ役を果たしています。しかしクラブから児童が退所した場合は、保護者である理事も辞任することは避けられない状況です。そのことにより『学童保育の会』の委員会が開催できなかったり、保護者会とのパイプ役が一時的にマヒしたりするような状況になっています。今後、保護者会と連携を深めながら、クラブに関わりが無くとも地域から選出された理事の就任もできる等、開かれた柔軟な対応ができる組織を検討する必要性があるように感じられます。

 1-(7)事業方針等
この会の運営姿勢や行動指針を、簡単に示すものの必要性や顔が見えない等、意見が一部からあり、『ちがさき学童保育の会』自身も必要性を感じ、中長期事業計画やスローガンを考えようとしましたが、日常の問題を解決することが先決になり、この問題を討議する時間的余裕がありませんでした。18年度以降の優先課題として対処したいと考えています。

 1-(8)他団体との連携
学童保育の関連団体として全国学童保育連絡協議会及び神奈川県学童保育連絡協議会があり、『ちがさき学童保育の会』としても神奈川県学童保育連絡協議会に加盟していましたが、連絡協議会の運営方法における問題や当会が置かれている現在の状況及び保護者の負担等を考え、連絡協議会から脱退することを決定し、連絡協議会の総会で正式に表明し受理されました。学童保育の発展の為の運動体としての関わりの重要性等は、過去における茅ヶ崎市学童保育連絡協議会の運動経緯からも充分承知しているものと思います。この会の運営が軌道に乗り、組織として成熟した段階で、また見直し加盟を検討する時が来るものと考えます。また、学童保育の唯一の専門誌と言われている『日本の学童ほいく』誌の購読については、『クラブ運営規約』により原則全ての世帯で購読をすることとなっています。このことについても見直しを諮りましたが、全世帯購読を継続することが決定されました。

 1-(9)会主催の行事及び広報活動
茅ヶ崎市内18クラブの交流を目的とした運動会も、21回目を数えるまでになりました。一時中断したものの20年を超え継続し、場所も昨年から梅田の旧体育館から手狭になり総合体育館で行うようになりました。参加者も年々増加し、この運動会の行方も考えなくてはならない時期にきているのかも知れません。これまで、保護者が主体となり支えてきましたが、今年度から指導員が主体となり、企画立案して実施するようになっています。まだまだ、完全なものにはなっていないでしょうが、回を重ねる毎に内容のよいものになっていくものと思われます。

今年度から広報活動の一環として『市民まつり』『ふれあいまつり』に参加し、学童保育の事業を市民の方々に知っていただく機会を設けるように考えました。ブースを設け、クラブのこども達の作品等を展示し、クラブでの過ごし方を垣間見るものになったのではないかと考えます。また、卒所生が立ち寄れば『なつかしさ』になり、これから利用する子ども達が立ち寄れば入学の『楽しみ』のひとつになるものと想います。この活動も指導員が主体となり企画立案していますが、回を重ねる毎に充実した内容になっていくものと思います。

もうひとつの広報活動として総務委員会が立ち上げたHPと保護者のボランティアが立ち上げた広報紙があげられます。HPは色々な方の目に触れているものと思われます。このHPをみて指導員になってくれた方もいます。また、他市のクラブから資料の問い合わせもありました。掲示板では、議論もされているようです。広報紙については、保護者の方達が会の動きやクラブの紹介を毎号簡略にまとめ上げ、回を重ねる毎によいものになっています。この広報活動もいずれは事務局主導で進めたいと考えていますが、まだまだ保護者の方達の力を借りなければならない状態です。

 第2:放課後児童健全育成事業
 2-(1)一学区一クラブ
今年度は、昨年度末に13クラブの放課後児童健全育成事業を統一し、松浪小学校区・緑が浜小学校区の『わんぱくクラブ』を分離し、新しく『おひさまクラブ』を発足させ、全ての学区に1児童クラブが実現しました。
 
 2-(2)指導員の配置
茅ヶ崎市内18児童クラブの内、14児童クラブを統一した『放課後児童健全育成事業』のスタートの年は、事業の予算不足の懸念を抱えたままの、スタートでしたが実際には予算不足は生じませんでした。予算不足は、児童クラブに登録する児童数の出席率100%を基準に配置されている職員の人件費から生じたものではないかと考えます。しかし、実際にクラブに来る児童数の出席率は、通年約80%の出席率であることが実績からわかりました。指導員の配置は、児童の登録数から配置された常勤指導員の適正配置が、当初からできなかったクラブが5クラブありました。この5クラブのうち常勤指導員1名配置クラブが2クラブあり、2名配置クラブが3クラブでした。1名配置クラブは当初非常勤指導員のみで運営されていました。また、2名配置クラブは1名しか配置できませんでした。非常勤指導員のみで運営していた2クラブは、6月及び11月に解消されました。2名配置クラブはいまだ1名しか配置できていないのが現状です。この予算不足解消は、この事業の要である常勤指導員の適正配置ができなかったことから生じたものが一つの要因であることが考えられます。

 2-(3)常勤指導員の2名配置の必要性
クラブ運営規約により配置された指導員の数は、これまでの保護者会運営の実績を参考に作られたものです。児童13人に一人の指導員が配置されるようになっています。児童の登録数37名以下のクラブは、常勤指導員1名の配置です。しかし、この基準で、配置された指導員は、現状の指導員不足の状況から、研修に参加する等の柔軟な勤務体制が組めないことも判りました。また、常勤指導員一人体制では、常勤指導員二人体制のクラブよりも、有給休暇の取得が取りづらい等、過重な労働条件であることも考えられます。また、退職等に伴う指導員の欠員は、補充が難しい状況が続く中で、児童の安全も脅かされる状況になります。

現在指導員の定年は、就業規則で60才と決められています。現在60才を過ぎても『嘱託職員』として継続して雇用し、常勤指導員として勤務していただいていますが、常勤指導員としてこども達と真正面に向き会って付き合うには、体力的な限界があるものと考えます。現在法律で2013年までに65才に定年延長を決めるか、継続雇用制度を導入するかを決めなければなりません。この定年延長問題においても、来年度は検討し、決定しなければなりません。今後、指導員の世代交代、若返りを図り、このような問題を柔軟に対処できる体制を築く必要性があります。そういった意味で、配置基準とは別に指導員2名体制を実現していくことは、この状況の改善の第一歩ではないかと考えます.

 
今年度の研修は、指導員会主催の17回の『基礎講座』等と全国学童保育連絡協議会主催の全国指導員学校及び全国学童保育研究集会、神奈川県学童保育連絡協議会主催の神奈川県指導員学校、茅ヶ崎市指導員研修が予定されていました。また新しく『児童健全育成推進財団』主催の児童厚生員等基礎研修会・放課後児童指導員研修会にも参加を試みました。また神奈川県主催のものにも参加しました。18年度以降は、茅ヶ崎の学童保育が必要とする研修は何かを考え、自主開催の研修の充実化等を図りたいと考えています。

 2-(5)指定管理者制度について
今年度指定管理者制度の募集は、『なかよしクラブ』と『にほんまつクラブ』が対象になりました。この制度は、対象施設毎に指定管理者が募集され、対象施設毎の採算性等を加味され、指定管理者が選定されます。前回の募集では『ちがさき学童保育の会』は実績がなく選定されなかったようです。今回の選定でこの制度は、私たちが進めている茅ヶ崎市内全児童クラブの統一の妨げになっていること実感しました。今回の評価で『保護者の負担軽減』の評価点が、他の項目の評価点よりも低いことが目に付きます。『育成料の統一』によりそのクラブの受け入れ児童数の多少に関わらず決定された育成料は、採算性を重視した場合の評価点は、収入が支出より大きく上回った場合、『保護者の負担軽減』の評価点は下がります。現在茅ヶ崎市の『放課後児童健全育成事業』は、『茅ヶ崎市市民活動推進条例』に基づく協同推進事業となっております。今後指定管理者制度がどのような形で協同推進事業と共存していくのかを、見守っていく必要があるのではないでしょうか。

 2-(6)施設及び定員について
公設化が進むなかで施設の定員は避けて通れない感があります。子供の安全を考えながら行かせることを決めた保護者が、すし詰め状態の施設で安全が脅かされる状況で、あってほしくはありません。その為にも施設の定員は、安全確保のうえでも必要とならざるをえません。施設に定員を設けた場合、必ずそこから溢れた子供たちをどうするかを考えなくてはなりません。茅ヶ崎市の考えは、公設化の目処が立ったら次は第2クラブの検討を考えているようです。また近年利用者増加で、どのクラブも夏休みの長期休暇中は、毎日100%に近い出席率で子供たちが劣悪な環境下におかれる機会が、多くなってきました。問題を抱えながらもこども課の協力の下、今年度は各学校の施設を借用し、少しでも子供たちにゆとりがある状況で過ごせる環境を作れるようにできました。18年度は第2クラブの検討を、早急に開始しなければならないと考えます。

 2-(7)事故について
事故については、あってはならないことですが、今年度一年を通して大小40件の事故がありました。今年度開始早々に発生した骨折事故を契機に、『事故対策・安全管理マニュアル』等の検討制定になりました。また、6月に発生したクラブの子供たちが指導員に怪我をさせる行為は、特にショックな事故でした。このクラブは、4月当初から常勤指導員が確保できず、何人かのパート指導員で子供たちの保育を行っていました。この事故を機会に、常勤指導員確保が急務になり、このクラブは十一月を目処に常勤指導員を確保することができ状況を改善することができました。

 2-(8)保育事務及び保育内容の標準化
現在各クラブで行われている保育内容や保育事務は、一部標準化はされているようですが、これまでの保護者会と指導員が作ってきたものです。これは保護者会単独で運営されている場合は、特に問題にならず、クラブの持ち味として存在していたものと考えます。組織が『ちがさき学童保育の会』に統一され、各クラブがバラバラな内容では、問題が発生した場合対処しづらいものになります。またクラブ間の指導員の異動ができない状況や指導員の人材育成の妨げの懸念も生じています。どのクラブも、指導員も、茅ヶ崎市内全クラブの保育に関するものは標準化されることで、保育環境の整備、人材育成等に柔軟な対応ができる組織になるものと考えます。

 2-(9)兄弟世帯の育成料の減額措置等
年度当初からの懸案事項である『育成料の兄弟減額』は、当初から予算化をすることができませんでした。月の予算消化具合や実績から今年度は一月当たり1,500円/世帯を実施することができました。ひとり親家庭の減額措置についても当初必要性を言われましたが、再度確認し、内容、規模等を今後検討しなければなりません。

 2-(10)障害児等の入所基準等について
公設化が進み障害児の受け入れに関する基準の整備も急がれています。今年度『ちがさき学童保育の会』としては施設が民家で受け入れに適応していないため、受け入れることを見送りました。18年度については浜之郷児童クラブの合流もありますから、例えば現行施設別の受け入れ基準を考える必要もあるかもしれません。また、児童の発達障害等に対応する指導員の養成等も考えなくてはならないと考えます。

 2-(11)次年度に向けての動向
茅ヶ崎市の放課後健全育成事業は、『茅ヶ崎市次世代育成支援対策行動計画』により全てのクラブの公設化を進めています。現在2005年度までに5クラブが公設化され、2006年度は、3クラブの公設化も予定されています。これまでは、茅ヶ崎市の保有地や学校の敷地内に専用もしくは併用施設として公設化を行ってきました。今年度以降は場所の狭い施設しか確保できず公設化の緊急度の高いクラブ、既存施設で耐震強度が公の施設として十分なクラブ、借り上げの新築学童保育専用施設のクラブで順次公設化が進められようとしています。今後も公設化の行いやすいクラブから順次進めていくものと考えられます。施設の借り上げ料については、2006年度から月額9万円の上限が撤廃され、地域性や施設の実情に合わせた家賃の額になり全てのクラブで持ち出しがなくなりました。また、定員の設定についても2006年度は見送られましたが、茅ヶ崎市全体で2006年度の利用者数は900名超に上り、『茅ヶ崎市次世代育成支援対策行動計画』における平成21年度の目標事業量における定員数は950人になっていますから、この定員数も2007年度には、超えるものと考えられます。しかし、これまで利用者数は、1~6年生までの利用者数ですから本来の対象者である1~3年生に限定する動きに替われば、当然委託料についても対象者で算定し支給されるものに替わっていきます。この基準で試算した2006年度の委託料は年間で約725万円の減額になります。次年度はこの状況を見据えた動きを迫られるものと考えます。また、第2クラブの需要動向は、新たな施策の変化に替わるものと思われます。当然予算の増大に拍車が掛かりますから、予算を切り詰める施策に替わり、この変化に対応できなくなるクラブも出てくる可能性も考えられます。

 第3:指導員部会の活動報告
子どもたちは学校が終わるとクラブに毎日帰ってきます。毎日同じ指導員が子どもたちを迎え、同じ仲間との放課後の生活が始まります。

その子どもたちの生活を保障するために「学童保育の生活作り」として、①「子ども同士のかかわり」②「子どもを捉える視点」③「帰ってきたくなる学童」④「食生活と子どもの発達」を4つの柱とし、ブロック別に分かれ、内部研修を行いました。実技講習として、工作、あそび、おやつ作りを実施しました。外部講習として①「子どもを守る地域の安全」②「防火対策」③「救急処置法」④「指導員の仕事と心構え・倫理について」の研修に参加しました。保育の質の向上を目指し、研修を積みながら保育内容の充実や資質向上に努めました。子どもを中心に考え、保育の喜びや悩みを保護者と指導員で共有し、今後も充実した研修内容になるものを考えます。

 第4:まとめ
『ちがさき学童保育の会』が平成16年10月22日に設立され、平成17年4月1日に茅ヶ崎市から放課後児童健全育成事業の事業者として事業を委託され、市内18クラブのうち14クラブの運営を行った、初めての年が終了しました。これまでの各保護者会で運営していたクラブの事業の『譲渡契約』を行ったことで、保護者会が保有していた資産や負債は全て『ちがさき学童保育の会』に引継がれました。

そして『茅ヶ崎の学童保育』のシステムとして生まれ変わらなければなりません。完全に茅ヶ崎の学童保育のシステムとして運営ができるまでには、まだまだ時間を要するものであることを、理解していただきたいと想います。この作業は、それこそ『茅ヶ崎の学童保育を創ろう』ではないかと考えます。今年度一年、作業のほとんどは、事務手続きに関するものでした。来年度はこのシステム創りの本題である『保育内容の標準化』に向けての取り組みを行なわなければなりません。これまで茅ヶ崎市内18クラブの保護者会と指導員が培ってきた保育に対する取り組み等が、来年度いよいよ標準一本化され、この『茅ヶ崎の学童保育』のシステムの基礎創りの作業が完了します。この作業が完了したことで茅ヶ崎市内のどのクラブに行っても、念願であった同じ料金で同じ保育サービスが受けられることが実現します。そして、『茅ヶ崎の学童保育』が保護者のものでもなく、指導員のものでもない『茅ヶ崎のこども達みんなの学童保育』に生まれ変わる第一歩が実現できるのではないかと考えます。