平成21年度事業報告

第1:一般概要
 (1)施設運営

平成21年度内に全てのクラブ施設の公設・準公設化が行われ、順次指定管理者についても当会を選定頂いた。
これまでの施設借用期間2年の括りが、基本10年間という長期の借用となり、学童保育施設の安定した運用を行うことが出来ることとなった。
公設化により施設を長期的に運用することになることから、保育スタイルを安定させることや、近隣・地域の方との良好な関係維持を行うことなど、現場指導員と運営側で状況を逐次把握・共有し、円滑にクラブ運営をしていくことを継続課題とする必要がある。
また、年々利用児童数は増加の傾向にあり、第2第3の施設を準備することが必須な状態となっている。
施設を増加するためには、利用可能児童数にある程度の余裕を持たせた施設を探す必要があることはもちろんのこと、危険がない場所を選ぶ必要があることや、増設に伴い指導員も増員しなければならないことなど複数の条件をクリアしなければいけないことから、大変困難なものとなっている。
さらに増設の判断をするための次年度児童数の確定時期が年度末になることから後手にまわりがちである。
しかし、これらの判断を誤まると、児童の安全・安定した保育に直接影響してしまうため、適切な判断基準を設けることが重要な課題となっている。

 (2)利用児童数

平成21年度は、およそ950名の児童が学童保育で過ごした。当会設立当初に想定していた利用児童数700名を大きく上回り、より多くの働く保護者が児童を預けることができたものと考える。
ただし、今後も児童の利用数は増加傾向にあると予想され、施設の大きさ、指導員の数に限界が見えている。
施設運営にも掲げたように施設拡充に向けてのベースラインを早急に策定し、必要とする児童に安全・安心な環境を準備出来るよう努めたい。

 (3)指導員の雇用

児童の増加に伴い、指導員の雇用も継続して行った。年度当所計画していた常勤2名体制を目標に実施しているものの、平成21年度中の実現はかなわなかった。
しかし、常勤指導員が活躍してくれたこと、パート指導員の大きな支援もあり、クラブ運営は安定した状態で維持することが出来た。
今後も、長期的に安定した保育を行うことを考えると、2名程度の常勤指導員を各クラブに配属し、パート指導員が保育を補佐する形が望ましいと考える。
雇用に関しては、当会の雇用制度が常勤制を用いていることや、組織の安定化傾向があることからか、他県・他市からの指導員採用応募者も多かった。
学童保育の経験者など豊富な経験・資格を持つ者の応募が多くあり、長く茅ヶ崎の学童保育を支えていけるであろう指導員の雇用が確保できつつある。
また、常勤指導員については、新人研修を始め、当会の経験豊富な指導員により、そのノウハウを実地体験させながら学ばせる方法をとっているため、確実かつ効率的に成長しているものと評価する。
今後も継続して指導員の雇用を行い、常勤2名体制の安定した組織となるよう計画する。また、指導員の体制もブロック化・ピラミッド化体制などを検討し、指導員同士での話し合いにより必要な意見を確実に吸い上げ、働きやすい職場となるよう努めていく。
 
 (4)研修の計画・実施

指導員の更なる質の向上をはかるため、前年度に引き続き指導員研修を実施した。
法人役員内において教育関係に携わる有識者を研修立案担当に充て、年間研修計画を立案した。
統括部門である保育事業室および研修立案担当において研修内容を選定し、研修を行った。
今後は、指導員自身が自分のクラブ生活にあった適切な研修カリキュラムを模索・立案し、申告して受講する制度も導入することを検討中である。
また、パート指導員についても必要な研修を選定して受講させ、常勤指導員と意識共有しやすい状態となるよう検討することを課題とする。
 
 (5)規約・規定の整備

当会にて発生しうる問題があれば事前に防止するよう、また事故が発生した場合でもその被害を最小限に留めることが出来るよう、コンプライアンス委員会を設置した。
これは若干名の指導員、法人役員により構成され、市内に分散している各クラブ指導員が現場で対応出来ない職務上の問題が発生したり、発生しそうな時に情報を吸い上げ対応することが出来る仕組みとしている。
常勤指導員に対しては、情報セキュリティ、コンプライアンス研修を設け、現状社会の一般社会常識と同等かそれ以上のレベルを目指し、児童が安全に過ごせるよう注力した。
ただし、一部においては、いまだ現場レベルで脆弱な箇所があると考えられるため、今後も必要な箇所については徹底するように意識させることを課題とする。
 
 (6)保護者との連携

当会設立時は、それまで保護者が運営してきたものを法人側に移管したものの、各仕事・役割の区分け・整備に曖昧な部分が残り、クラブにおいて多少のバラつきがあった。
これらについて、統括部門、現場指導員、保護者の学童保育に関する仕事、役割の整備を行った。
基本的な運営は当会が担い、保護者会が実施すべきもの、実施して欲しいものを分類し、事業定義の再確認を行った。
しかしながら、すべてにおいて区分けしきれるものではなく、双方が時には協調して行わなければいけないもの、行うべきものが存在するため、今後も継続して基本的な役割を考慮しつつ、運営側・保護者側が協調しあえる学童保育としていく必要があると考える。
 

 (7)その他

今年度は、法人資料として「NPO法人ちがさき学童保育の会 ご紹介・ご説明」資料の作成を行った。
地域の方、近隣の方などに当会や茅ヶ崎市の学童を理解して頂くのに参考となる資料として作成し、一部の方へは配布、ご説明などさせて頂くのに活用した。
また、保護者による茅ヶ崎市学童の「中・長期ビジョン策定」委員会を設置し、5年・10年先の将来像について話合いを行った。
学童保育は法整備が整いつつあり、全国レベルでも急速に変化しているものの、まだ確立している状態ではないため誰もが納得出来る将来像を導きだすことは困難ではあるが、当委員会により現存保護者の学童に対する理解度を深めたこと、後任の保護者たちに対してのベースラインとなる文書が残せたこととして成果を出したと評価する。

 第2:管理業務の状況
 1 役員等

(1)第5回定期総会(平成21年6月21日開催)において本日付で理事4名退任し、理事3名、監事1名が各々就任した。
 
 2 会議
 (1)総会

本年度の総会を、以下のとおり開催した。
①第5回定期総会 
ⅰ 開 催 日 平成21年6月21日(日)
ⅱ 場  所 茅ヶ崎市青少年会館2Fホール
ⅲ 議決事項
第一号議案 2008年度事業報告承認に関する件
第二号議案 2008年度収支決算報告承認に関する件
第三号議案 役員の選任に関する件
第四号議案 2009年度経営方針及びクラブ運営方針承認に関する件
第五号議案 2009年度事業計画承認に関する件
第六号議案 2009年度収支予算承認に関する件
②臨時総会 
ⅰ 開 催 日 平成21年8月1日(土)
ⅱ 場  所 茅ヶ崎市青少年会館 研修室
ⅲ 議決事項 議 案  第1回補正予算に関する件
 
 (2)理事会

本年度の理事会を、別表1のとおり開催した。
 
 (3)放課後児童健全育成事業定例会議

本年度から保育課と法人事務局が、毎月市役所で児童クラブ運営上の課題、事務連絡等を持ち寄り検討し、円滑に事業が進行するよう協議を行った。
 
 (4)会長会議 

市内21クラブの保護者会会長が、課題等の解決に向け、4月・5月・6月・7月・9月・11月に会長会議を開催した 。
 

 3 事務局及び保育事業部

①平成22年3月31日現在における事務局については、常勤職員1名、非常勤職員3名で構成し、経理業務・登記業務・申請業務等の管理業務を行った。
②平成22年3月31日現在における保育事業部については、常勤職員3名、非常勤職員3名で構成し、職員の労務事務、各クラブ等の管理・支援業務を行った。
 
 4 登記事項

平成21年 7月13日 理事変更登記(6/30付 4名辞任、7/1付 3名就任)
及び 資産総額変更登記
 
 5 申請、届出及び報告書事項
平成21年 4月 7日 柳島児童クラブ 指定管理者 応募
平成21年 4月 7日 円蔵児童クラブ 指定管理者 応募
平成21年 4月13日 社会保険被保険者資格喪失届(2名)提出
平成21年 4月13日 雇用保険被保険者資格喪失届(2名)提出
平成21年 4月13日 社会保険被保険者資格取得届(1名)提出
平成21年 4月13日 雇用保険被保険者資格取得届(2名)提出
平成21年 4月13日 茅ヶ崎市法人市民税の減免申請 提出
平成21年 4月17日 特定退職金共済掛金加入取消届 (1名)提出
平成21年 4月25日 社会保険被保険事業諸関係変更届 提出
平成21年 7月 8日 労働保険 概算・確定保険料申告書 提出
平成21年 5月15日 特定退職金共済掛金脱会届 (1名)提出
平成21年 5月30日 社会保険被保険者資格喪失届(1名)提出
平成21年 6月 1日 社会保険被保険者資格取得届(1名)提出
平成21年 6月25日 特定退職金共済掛金加入届(6名)提出
平成21年 6月30日 社会保険被保険者資格喪失届(2名)提出
平成21年 7月 3日 特定退職金共済掛金脱会届(1名)提出
平成21年 7月11日 雇用保険被保険者資格喪失届(2名)提出
平成21年 7月11日 社会保険被保険者資格喪失届(2名)提出
平成21年 7月20日 特定退職金共済掛金加入届(1名)提出
平成21年 7月22日 藤沢税務署 公益法人等の収支計算書の提出
平成21年 8月21日 特定退職金共済掛金加入届(1名)提出
平成21年 8月24日 給食施設 理事長変更届(21施設)提出
平成21年 8月24日 給食施設 住所変更届(1施設)提出
平成21年 8月24日 給食施設廃止届(1施設)提出
平成21年 8月24日 新施設の給食施設申請提出(1施設)提出
平成21年 9月16日 雇用保険被保険者資格取得届(3名)提出
平成21年10月23日 雇用保険被保険者資格取得届(3名)提出
平成21年10月29日 給食施設 事項変更届(1施設)提出
平成21年10月30日 給食施設 事項変更届(1施設)提出
平成21年10月30日 西浜児童クラブ 指定管理者  応募
平成21年10月30日 梅田第2児童クラブ 指定管理者  応募
平成21年10月30日 浜之郷児童クラブ 指定管理者 応募
平成21年10月30日 小出児童クラブ 指定管理者 応募
平成21年10月30日 松浪児童クラブ 指定管理者 応募
平成21年10月30日 緑が浜児童クラブ 指定管理者 応募
平成21年11月 6日 社会保険被保険者資格取得届(4名)提出
平成21年11月18日 社会保険被保険者資格取得届(2名)提出
平成21年11月18日 社会保険被保険者資格取得届(1名)提出
平成21年11月30日 雇用保険被保険者資格取得届(2名)提出
平成21年11月30日 雇用保険被保険者資格喪失届(1名)提出
平成21年12月24日 特定退職金共済掛け金脱会届(1名)提出
平成21年12月24日 特定退職金共済掛け金加入届(2名)提出
平成21年12月24日 労働災害による休業手当金申請 提出
平成21年12月24日 労働保険住所変更申請(おおぞらクラブ)提出
平成22年 1月 8日 傷病手当金申請 提出
平成22年 1月 8日 社会保険被保険者資格喪失届(1名)提出
平成22年 1月 8日 雇用保険被保険者資格喪失届(1名)提出
平成22年 1月 8日 給食施設 事項変更申請(1施設)提出
平成22年 1月12日 給食施設 住所変更届(1施設)提出
平成22年 1月12日 給食施設廃止届(1施設)提出
平成22年 1月12日 給食施設申請(1施設)提出
平成22年 1月12日 給食施設申請(1施設)提出
平成21年 1月25日 各市町村市民税担当課へ「給与支払い届」提出
平成22年 1月20日 特定退職金共済掛け金 加入届(1名)提出
平成22年 1月26日 給与支払い報告書(茅ヶ崎市他)提出
平成22年 1月28日 平成21年分給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表 提出
平成22年 2月 1日 茅ヶ崎市 償却資産申告書 提出
平成22年 2月 5日 労働保険名称変更申請(ふたばクラブ)提出
平成22年 2月 5日 社会保険被保険者資格喪失届(1名)提出
平成22年 2月 5日 雇用保険被保険者資格喪失届(1名)提出
平成22年 2月10日 茅ヶ崎市後援名義使用申請(22年度運動会)提出
平成22年 2月15日 社会保険被保険者資格取得届(1名)提出
平成22年 3月10日 茅ヶ崎市特定退職金共済掛金補助金申請 提出

 6 契約に関する事項

平成21年 4月 1日 委託業務契約(8クラブ)
平成21年 4月 1日 年度協定締結(緑が浜児童クラブ)
平成21年 4月 1日 年度協定締結 (香川児童クラブ[てんとう虫・よつば])
平成21年 4月 1日 年度協定締結(今宿児童クラブ)
平成21年 4月 1日 年度協定締結(鶴嶺児童クラブ)
平成21年 4月 1日 年度協定締結(梅田児童クラブ)
平成21年 4月 1日 年度協定締結(東海岸児童クラブ)
平成21年 4月 1日 年度協定締結(茅ヶ崎児童クラブ)
平成21年 4月 1日 年度協定締結(小和田児童クラブ)
平成21年 4月 1日 年度協定締結(浜之郷児童クラブ)
平成21年 4月 1日 年度協定締結(小出児童クラブ)
平成21年 4月 1日 年度協定締結(浜須賀児童クラブ)
平成21年 4月 1日 年度協定締結(松浪児童クラブ)
平成21年 4月 1日 総合警備保障㈱ 警備業務委託(浜之郷児童クラブ)
平成21年 4月 1日 セコム㈱ 警備業務委託(15クラブ)
平成21年 4月 1日 昭和ドアー販売㈱ 自動ドアー保守契約
平成21年 4月 1日 富士火災海上保険 火災保険(ふたばクラブ)
平成21年 4月 1日 職員雇用契約(常勤35名、パートタイム114名、事務局6名)
平成21年 4月 1日 職員再雇用契約(3名)
平成21年 4月 1日 22施設 36協定
平成21年 7月 1日 ㈱損保ジャパン 火災保険(すぎの子クラブ)
平成21年 9月 1日 基本協定/年度協定締結(柳島児童クラブ)
平成21年 9月 1日 基本協定/年度協定締結(円蔵児童クラブ)
平成21年 9月26日 ㈱損保ジャパン 火災保険
平成21年 9月26日 建物賃貸借契約(まつぼっくりクラブ)
平成21年11月30日 建物賃貸借契約(おおぞらクラブ)
平成21年12月10日 ㈱損保ジャパン 火災保険(おおぞらクラブ)
平成21年12月15日 ㈱損保ジャパン 個人情報漏えい保険加入
平成22年 3月23日 ㈱損保ジャパン 火災保険(いるか倶楽部)
平成22年 3月23日 ソフトバンクモバイル㈱契約(ぽぽんたクラブ)
平成22年 3月30日 ソフトバンクモバイル㈱契約(事務局)
平成22年 3月31日 エース損害保険㈱ 傷害保険
平成22年 3月31日 東京海上日動火災保険㈱ 賠償責任保険
平成22年 3月31日 東京海上日動火災保険㈱ 事業活動包括保険
平成22年 3月31日 東京海上日動火災保険㈱ 身元信用保険

 第3 事業の状況
 1 放課後児童健全育成事業
 ①内容

・日時:通年
・内容:児童の健全育成
・場所:市内18小学校区
・従事者人数:職員(常勤41名、非常勤173名)
・対象者:18小学校区在籍児とし、受益対象者延10,524名
・支出額:230,698,425円
 
 ②事業の成果

保護者が労働等により昼間家庭にいない小学校児童に授業の終了後、適切な遊び及び生活の場を与え、その健全な育成を図ることができた。
 
 2 放課後児童の交流親睦事業
 ①内容

・日時:平成21年12月5日(土)
・内容:ドッジボール大会
・場所:茅ヶ崎市総合体育館
・従事者人数:職員19名
・支出額:1,050円
 
 ②事業の成果

新型インフルエンザ流行の影響で実施できなかった。
 
 3 職員の研修に関する事業
 ①内容

・職員を対象に、別表2に示す受講状況のとおり (財)児童健全育成推進財団、茅ヶ崎市、全国学童保育連絡協議会、神奈川県学童保育連絡協議会等主催等の研修会に参加した。クラブ間研修等自主研修も開催し職員の資質向上に努めた。 

 
 ②事業の成果

職員を対象に、別表2に示す受講状況のとおり (財)児童健全育成推進財団、茅ヶ崎市、全国学童保育連絡協議会、神奈川県学童保育連絡協議会等主催等の研修会に参加した。クラブ間研修等自主研修も開催し職員の資質向上に努めた。 
 
 4 市民啓発及び広報に関する事業
 ①内容

・日時:11月3日(火)
・内容:ふれあいまつりに参加
・場所:茅ヶ崎市中央公園
・対象者:市民
・支出額:24,931円
 
 ②事業の成果

秋のふれあいまつりに参加し、クラブの児童の作品等展示ブースを設け実施し、市民啓発、広報活動を行った。
 
 5 放課後児童の体験に関する事業
 ①農作業を体験させる事業

・日時:平成21年6~11月
・内容:もち米作り
・場所:茅ヶ崎市芹沢
・従事者人数:職員26名
・対象者:クラブ利用児童
・支出額:290,523円
 

 ②事業の成果

田植えは7クラブ(児童29名)、稲刈りは8クラブ(児童31名)が参加した。また、6クラブで案山子作りを行った。収穫したもち米を市内全児童クラブに配布し、おやつとして利用し食育の一助にもなったと考える。


 6 放課後児童クラブの開設等
 ①内 容

・日時:平成21年度
・内容:クラブ利用児童の生活環境の改善
・場所:茅ヶ崎市内
・支出額:3,783,751円
 
 ②事業の成果

梅田第2児童クラブの借上げ施設の新設に伴うロッカー及びシャワー室等の設置工事。西浜児童クラブの複合施設新設による移転、松林及び室田小学校区の借上げ施設新設による移転と旧施設の原状復帰工事を行った。浜須賀小学校区の利用児童増加に伴う分室の移転、松浪小学校区第二クラブの利用児童の増加に伴う分室開設の工事を行った。