平成23年度事業報告

 第1:一般概要 事業及び活動報告

前文
  まず冒頭に、昨年、そして今年と、2年連続して、育成料の改定を理事会で決定しておきながら、市の理解を得られず、撤回するという不手際があったことを心よりお詫び申し上げます。
 
 (1)法人経営

 一昨年度より資金繰りが悪化し、極端な予算削減を行ってきました。その為、各クラブでは保育計画の変更を余儀なくされ、皆様には多大なご迷惑ご心配をおかけしました。幸い大きな事故もなく、また、赤字になることもなく、この一年を乗り切れましたことは、保護者の方々のご理解・ご協力があったことと、ここに深く感謝いたします。
  また、入所要件の確立と、定員の設定というここ数年何度となく話し合いのテーブルにのりながら先延ばしにされていた事項に、一定の進展がみられた年でした。しかし、その運用にはまだまだ問題があり、市との連携の悪さから数多くの苦情が寄せられ、そのたびに事態の収集に苦慮することになりました。来年度以降、入所説明会、募集時期、周知方法など改善すべき点が多々あることを感じました。
 さらに、平成25年度から、児童クラブの指定管理者制度が、これまでの個別児童クラブ単位から、全児童クラブ一括選定になります。それに向けた、法人の体制全般の見直しが必要だと感じました。

 (2)クラブ運営

 年度当初より、大幅な人件費、教材費、行事費等の圧縮をしました。その結果、大きな事故はなかったものの、子供達の心の中にどれだけかかわっていけたのだろうかと、心配が尽きない一年でした。
また、過去に様々な制約がある中で建てられた施設の中には、今の基準では十分な施設とは言いがたい建物が見受けられるようになってきました。さらに、当会で分室と呼んでいる施設についても、その内容の精査が必要であると考えます。
  NPO法人が設立されて7年が経ち、全ての保護者は、市内の全ての施設が同一基準で安全に管理されていることを求めています。情報交流が進めば進むほどその傾向は顕著に現れてくるわけで、漫然と過去の経緯を説明して釈明しているだけでは納得されません。今までは、とにかく待機児童を出さないようにと、施設の広さにこだわってきましたが、今後は安全という基準を最優先させなければなりません。
 入所要件の確立と、定員の設定により、各クラブの利用者数の状況が今まで以上に明らかになりました。今後は、各小学校区の児童数の偏りを考慮した、新施設の設置が望まれます。

 (3)利用児童数

 平成23年度は、1,096名(1~6年生)の児童がクラブで過ごしました。又、市内の全小学校1~3年生6,490名中865名の児童(13.3%)がクラブを利用しているという事実は、この事業の意義をあらためて認識させられます。
各クラブを訪問したり、交流会などの行事で見る児童の笑顔こそが、この事業に関わっている私たちの最大の喜びです。そして、この笑顔こそが、私たちが様々な困難を乗越えて、この事業を推し進めていく原動力となっていることを感じます。また、今年度までは待機児童を作ることなく運営できたことは、多くの関係者に感謝します。
  ただし、全体としては今後も児童の利用数は増加傾向にあると予想されますので、施設や指導員の体制にも留意しなければなりません。
 
 (4)保育の内容

 昨年に続き、多様な児童の状況に対応することの難しさを実感した一年でした。集団行動を取ることが困難な児童が増えてきていて、その対応に指導員がつきっきりになってしまうということが、数多く報告されました。狭い施設内での活動もその一因と考えられますが、本人はもとより他の児童にもストレスが溜まってしまい、指導員が全体を安全に管理していくことが困難になることが予想されます。市の「こどもセンター」を始めとする関係機関との連携を含め、専門家の指導を仰がなければならないと感じました。
 一方、手のかかる児童に対して、職員研修を活かした取り組みが各クラブで行なわれました。もちろん、全てのケースにおいて良い結果が見られたわけではありませんが、着実に一歩ずつ前進していることを感じました。
 
 (5)指導員の雇用

 児童の増加さらに指導員の退職に伴い、指導員の採用も継続して行なってきました。しかし、目標としていた各クラブ常勤2名体制は、財政難のため断念せざるを得ませんでした。さらに、今後もその見通しがつかない状況です。また、待遇の悪さがゆえに、離職していく職員もみられた為、職員に対しても明るい将来展望を築かなければならないことを痛感しました。
 多様な子供達に対応したり、障がいをもっている子供も安全にクラブ内で過ごすためには、豊富な経験や資格を持った指導員の確保が是非とも必要なのです。
 
 (6)指導員の研修

 指導員の更なる質の向上を図るため、昨年度に引き続き指導員研修を実施しました。昨年度からは、指導員自身が自分のクラブの様子や資質にあった研修を選び受講できるようになりました。又、パート指導員にも研修の受講を可能とし、クラブ内での指導力の向上を図りました。
  ここ数年の研修の結果、指導員の中での指導方針に関する議論が活発になってきました。今はまだ、各指導員が研修を受けるだけですが、その内容を当会がどのように活かし、全指導員がひとつになって児童と関わっていけるのかを模索していく時期になってきたのかもしれません。
 
 (7)規約・規定の整備

 今年度は、昨年の東日本大震災を受けて、防災マニュアルの見直しを最優先にしました。まだまだ完全なものとは思いませんが、市とも連携をとりながら整備していきたいと思います。入所要件の確立に伴い、クラブ運営規約やそれに関連する規程を変えました。また、職員の就業規則にも一部手直しを加えることになりました。
 今後とも、関係各条例や世の中の動きに合わせて、改善していかなければなりません
 
 (8)保護者との連携
 
 当会設立時、その目的の一つに、「保護者の負担を減らすこと」があり、総務部や保育事業部の充実にともない、一定の成果をあげてきました。しかし、それでもまだ当会運営側(保護者の代表による役員)に全ての役割を担う力がないという現実があります。そこで、各児童クラブの保護者会に協力を求め、保護者会代表者会と理事会との意見交換を定期的に行なってきました。今後も今暫くは、運営側と保護者側が協調しあい、その役割を分担しながら、茅ヶ崎の児童クラブのレベルを上げていく必要があります。
 
 (9)夏期の電力需給対策に伴う対応

 昨年夏の電力供給不足による、各企業の土日祝日への就業日のシフトによって、当会も日曜祝日の開所を行いました。通常でさえ夏期は職員のシフトがきつくなっていますが、さらに相当の負担が職員にかかってしまいました。

 (10)その他

 平成25年度より、児童クラブの指定管理者制度が、これまでの個別の児童クラブ単位から、全児童クラブ一括選定になります。果たしてこの制度が、児童や保護者にとって朗報となるのか、疑問を拭えないでいます。新しい理事会が、市との関係を一から考えなおさなければならないと感じています。

 第2:管理業務の状況
 1 役員等

(1)第7回定期総会(平成23年6月19日開催)において本日付で理事2名退任し、理事3名就任した。
 
 2 会議
 (1)総会

本年度の総会を、以下のとおり開催した。
①第7回定期総会 
ⅰ 開 催 日 平成23年6月19日(日)
ⅱ 場  所 茅ヶ崎市青少年会館2Fホール
ⅲ 議決事項
第一号議案 2010年度事業報告承認に関する件
第二号議案 2010年度収支決算報告承認に関する件
第三号議案 役員の選任に関する件
第四号議案 2011年度経営方針及びクラブ運営方針承認に関する件
第五号議案 2011年度事業計画承認に関する件
第六号議案 2011年度収支予算承認に関する件

 (2)理事会

本年度の理事会を、別表1のとおり開催した。
 
 3 総務部及び保育事業部(事務局)

①平成24年3月31日現在における総務部については、職員1名、パート職員3名で構成し、経理業務・登記業務・申請業務等の管理業務を行った。
②平成24年3月31日現在における保育事業部については、職員3名、パート職員4名で構成し、職員の労務事務、各クラブ等の管理・支援業務を行った。
 
 4 登記事項 

平成23年 4月 4日理事変更登記(3/31付 2名辞任)
平成23年 7月 1日理事変更登記(7/1付 3名就任)
及び 資産総額変更登記

 5 申請、届出及び報告書事項

平成23年 4月 6日 社会保険被保険者資格取得届提出
平成23年 4月 6日雇用保険被保険者資格取得届提出
平成23年 4月12日異動届出書(市役所・保育課)提出
平成23年 4月13日異動届出書(県税事務所)提出
平成23年 4月14日異動届出書(税務署)提出
平成23年 4月14日茅ヶ崎市法人市民税の減免申請 提出
平成23年 4月16日労災 休業補償給付支給請求書 提出
平成23年 4月16日労災 療養補償給付たる給付請求書 提出
平成23年 4月21日社会保険事業所関係変更(訂正)届(処理表)提出
平成23年 4月21日社会保険被保険者資格取得届 提出
平成23年 4月21日雇用保険被保険者資格取得届 提出
平成23年 4月28日労働保険加入申請(2施設)提出
平成23年 5月 2日労災 休業補償給付支給請求書 提出
平成23年 5月26日健康保険被扶養者(異動)届 提出
平成23年 6月 6日給食施設申請(2施設)提出
平成23年 6月 6日給食施設報告事項変更届(代表者変更)提出
平成23年 6月15日特定退職金共済掛け金加入届提出
平成23年 6月29日 社会保険被保険者報酬月額算定基礎届 提出
平成23年 6月29日労災 療養補償給付たる給付請求書 提出
平成23年 6月30日藤沢税務署 公益法人等の収支計算書 提出
平成23年 7月 5日雇用保険被保険者氏名変更届 提出
平成23年 7月 5日 社会保険被保険者氏名・住所変更(訂正)届 提出
平成23年 7月 5日健康保険被扶養者(異動)届提出
平成23年 7月 5日労災保険既算・確定保険料一般拠出金申請書 提出
平成23年 7月29日茅ヶ崎市指定管理者応募(3施設)
平成23年 8月 5日労災 療養補償給付たる給付請求書 提出
平成23年 8月 8日社会保険被保険者賞与支払届 提出
平成23年 8月 9日労災 療養補償給付たる給付請求書 提出
平成23年 8月18日労災 療養補償給付たる給付請求書 提出
平成23年 8月29日労災 療養補償給付たる給付請求書 提出
平成23年 9月 9日雇用保険被保険者氏名変更届 提出
平成23年 9月 9日社会保険被保険者氏名・住所変更(訂正)届 提出
平成23年 9月 9日特定退職金共済変更訂正通知書届 提出
平成23年11月25日雇用保険被保険者資格喪失届 提出
平成23年12月 8日社会保険被保険者賞与支払届 提出
平成23年12月16日給与支払報告特別徴収にかかる給与所得者異動届出書 提出
平成24年 1月17日特定退職金共済掛け金脱会届 提出
平成24年 1月19日社会保険被保険者資格喪失届 提出
平成24年 1月19日雇用保険被保険者資格喪失届 提出
平成24年 1月23日給与支払い報告書(茅ヶ崎市他11ヶ所)提出
平成24年 1月23日平成23年分給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表提出
平成24年 1月31日茅ヶ崎市 償却資産申告書 提出
平成24年 2月10日茅ヶ崎市後援名義使用申請(24年度運動会)提出
平成24年 2月15日給与支払報告特別徴収にかかる給与所得者異動届出書 提出
平成24年 2月27日健康保険傷病手当金支給申請書 提出
平成24年 3月 1日特定退職金共済掛け金脱会届 提出
平成24年 3月 9日茅ヶ崎市特定退職金共済掛け金補助金申請 提出
平成24年 3月15日給与支払報告特別徴収にかかる給与所得者異動届出書 提出
平成24年 3月16日社会保険被保険者資格取得届・喪失届・提出
平成24年 3月16日 雇用保険被保険者資格取得届・喪失届 提出

 6 契約に関する事項

平成23年 4月 1日委託業務契約(4施設)
平成23年 4月 1日年度協定締結(19施設)
平成23年 4月 1日総合警備保障㈱ 警備業務委託(1施設)
平成23年 4月 1日平和防災㈱ 消防用設備保守点検業務委託(1施設)
平成23年 4月 1日職員雇用契約(常勤46名、パートタイム139名)
平成23年 4月 1日職員再雇用契約
平成23年 4月 1日時間外労働・休日労働に関する協定(36協定)締結
(26施設)
平成23年 4月 1日セコム㈱ 警備業務委託(22施設)
平成23年 4月12日 賃貸契約代表者変更(1施設)
平成23年 4月12日㈱損保ジャパン火災保険契約代表者変更
平成23年 4月12日 富士火災海上保険㈱契約代表者変更
平成23年 4月12日賃貸契約代表者変更(2施設・事務局)
平成23年 5月11日KDDI㈱(au)携帯契約(23施設)
平成23年 5月26日賃貸契約代表者変更(1施設)
平成23年 6月10日㈱損保ジャパン 火災保険(3施設)
平成23年 8月 1日㈱損保ジャパン契約代表者変更 個人情報漏えい保険
平成23年 8月 9日㈱損保ジャパン 火災保険(1施設)
平成23年 8月22日日本興和損害保険㈱ 火災保険(事務局)
平成23年 8月22日KDDI㈱(au)携帯契約(1施設)
平成23年10月18日エース損害保険㈱ 賠償責任保険(個人・自転車)
平成23年11月 1日セコム㈱ 警備業務委託(1施設)
平成23年11月 1日基本協定/年度協定締結(1施設)
平成23年12月 1日㈱損保ジャパン 個人情報漏えい保険
平成23年12月 1日㈱損保ジャパン 火災保険(1施設)
平成24年 2月24日㈱損保ジャパン 火災保険(10施設)
平成24年 3月 9日㈱損保ジャパン 火災保険(1施設)
平成24年 3月23日KDDI㈱(au)携帯契約(1施設)
平成24年 3月28日㈱損保ジャパン 火災保険(1施設)
平成24年 3月28日KDDI㈱(au)携帯契約(1施設)
平成24年 3月31日エース損害保険㈱ 傷害保険
平成24年 3月31日東京海上日動火災保険㈱ 賠償責任保険
平成24年 3月31日東京海上日動火災保険㈱ 事業活動包括保険
平成24年 3月31日東京海上日動火災保険㈱ 身元信用保険


 第3 事業の状況
 1 放課後児童健全育成事業
 ①内容

日  時:通年
内  容:児童の健全育成
場  所:市内19小学校区
従事者数職員(常勤):42名パート
対 象 者:19小学校区在籍児とし、受益対象者延
支 出 額:249,762,361円

○事業の成果
保護者が就労等により昼間家庭にいない小学校児童の授業終了後、適切な遊び
及び生活の場を与え、その健全な育成を図ることができた。

 ②夏期の電力需給対策に伴う保育

○内 容
日  時:7月~9月の日曜及び祝日
内  容:児童の健全育成
場  所:茅ヶ崎市茅ヶ崎児童クラブ
従事者数職員:26名
対 象 者:19小学校区在籍児とし、受益対象者延
支 出 額①通常保育の支出額に含まれる
○事業の成果
夏期の電力需給対策に伴う各企業の就業日変更に伴い日曜祝日の昼間に保護者が
不在になる児童に対し、安心して過ごせる場を与えることができた。
 
 2 放課後児童の交流親睦に関する事業
 ①内容

日  時:平成23年12月3日(土)
内  容:ドッジボール大会
場  所:茅ヶ崎市総合体育館
従事者数職員(常勤):45名パート
参加者数児童:370名
支 出 額:21,844円

○事業の成果
市内の全児童クラブ参加のドッジボール大会が開催でき、児童クラブ間の交流が
できた。
 
 3 職員の研修に関する事業
 ①内容

日  時:通年
内  容:関連団体等の研修に参加
場  所:関連団体の施設
参加者数職員延:459名、パート職員延
支 出 額:1,252,840円

○事業の成果
職員を対象に、別表2に示す受講状況のとおり例年開催される、児童健全育成推進
財団の研修他に参加した。
NPO法人東京学芸大こども未来研究所の『こどもパートナー講座』は、パート職員も
参加ができるようにし、職員全体の資質向上に繋がった。 
 
 4 市民啓発及び広報に関する事業
 ①内容

日  時:平成23年11月3日(木)
内  容:ふれあいまつりに参加
場  所:茅ヶ崎市中央公園
対 象 者:市民
支 出 額:43,132円

○事業の成果
秋のふれあいまつりに参加し、クラブの児童の作品等展示ブースを設け実施し、市民啓
発、広報活動を行い、児童クラブの周知ができた。
 
 5 放課後児童の体験に関する事業
 ①農作業を体験させる事業

○内 容
日  時:平成23年6~11月
内  容:うるち米作り
場  所:寒川町田端
従事者数職員:152名
対 象 者児童:1,097名
支 出 額:235,547円

○事業の成果
悪天候のため田植、稲刈りは、実施できなかった。案山子作りは、全クラブで行った。
収穫した米を全児童クラブに配布し、おやつとして利用し食育の一助にもなった。


 ②公益社団法人茅ヶ崎青年会議所主催の事業への協力

○内 容
日  時:平成23年8月20日(土)
内  容:『Chigasaki Auto Camping』 に児童を参加させた
場  所:茅ヶ崎市内
参加者数児童:40名
支 出 額:なし

○事業の成果
今年度は、柳島キャンプ場の閉鎖で、県立茅ヶ崎里山公園の近くで実施された『Chiga
saki Auto Camping』に、40名の児童の参加ができた。青年会議所のプログラムに
よりすべて行われ、参加したこども達にとっても、茅ヶ崎の魅力を知ることができ、
夏休みの思い出にもなったと思う。


 6 放課後児童クラブの開設等
 ①内 容

内  容:クラブ利用児童の生活環境の改善
場  所:茅ヶ崎市内
支 出 額:524,851円

○事業の成果
今年度は、香川小学校区の香川第2クラブ、新設された汐見台小学校区の児童クラブの
開設があった。また、浜須賀児童クラブの、分室として利用していた建物が耐震強度不
足であることが判り、急遽新しい施設を探し、新年度の利用開始に間に合わせることが
できた。